この記事では、「事業用」のクレジットカードを使った時の仕訳方法を紹介します。
事業用クレジットカード?個人用クレジットカード?
「事業用クレジットカード」という言い方をすると、
個人用口座や個人用クレジットカードとの区別に頭が混乱してしまいますが、
要は、事業用と決めた銀行口座から代金が支払われるよう
紐づけされているクレジットカードのことです。
「クレジットカードは個人用にして、銀行口座だけは事業用に」とか、
「クレジットカードは事業用にして、銀行口座だけは個人用に」
なんて決め方をすると混乱します。
「クレジットカードとそのカード支払い代金が引き落とされる口座は事業用、
クレジットカードとは関係ない別の銀行口座は個人用」
という決め方をしなくてはいけません。
(例) 事業用:楽天カード、楽天銀行
個人用:ゆうちょ銀行
もちろん、個人用口座の帳簿は必要ない為、
今まで使っていた口座を事業用にしたからと言って、
無理に個人用の口座を準備する必要はありません。
まぁ、今後は事業用と個人用できっちり分けておいた方が楽ですが。
そしてこの記事は、クレジットカード&それに紐づいた銀行口座を
「事業用」と決めた方向けの仕訳方法となっています。
クレジットカード&それに紐づいた銀行口座を「個人用」としている方はコチラ↓
クレジットカード(プライベート/個人/家事用)の仕訳方法
仕訳までの大まかな流れ
1.クレジットカード用の勘定科目を作る
[未払金]のところで右クリックし、[補助科目の作成]を選択してください。
[補助科目名]にカード会社名など入力し、[OK]を押します。
これで、「1.クレジットカード用の勘定科目を作る」は完了です。
2.預金出納帳にカード引き落とし日・金額を入力する
[勘定科目・補助科目]からクレジットカード代金が引き落とされる口座を選びます。
※口座が選択できない・登録されていない場合は、画面右上の[閉じる]を選択し、
やよいトップから[導入]-[得意先銀行等の設定]から登録を行ってください。
通帳を見ながら、クレジットカードの引き落とし日・金額を入力を入力します。
ここで、さきほど作成したクレジットカード用の勘定科目を使います。
[相手勘定科目]→ 未払金
[相手補助科目]→ 〇〇カード
[適要]→ クレジットカード引き落とし(〇月分)
[引出金額] → 〇〇〇〇
画面右上の[閉じる]を押し、ナビゲータ画面に戻ります。
これで、「2.預金出納帳にカード引き落とし日・金額を入力する」は完了です。
3.未払金帳を作る
やよいの青色申告16では、「未払金帳」が存在しないので、
自分で未払金帳を作成する必要があります。
画面上のメニューから[設定]-[帳簿・伝票設定]を選択してください。
【帳簿の設定】タイプ → 補助元帳、名称 → 未払金帳
【金額欄の名称】左側 → 購入金額、右側 → 支払金額
【増加する貸借区分】 「貸方」を選択
【対象勘定科目】 「未払金」にチェック
「OK」を押します。
これで、「未払金帳」が作成されました。
実際に「未払金帳」を開いてみます。
画面上のメニューから[帳簿・伝票設定]-[未払金帳]を選択してください。
[補助科目]を選ぶと、さきほど預金出納帳で[相手勘定科目]に
「未払金」を選択した分が自動で反映されているはずです。
4.クレジットカードの利用明細を入力
実際にどんなものをクレジットカードで購入したのか?
その明細を未払金帳へ記入していきます。
A.事業に必要なものだけを購入した場合
例えば、事業に必要な「ボールペン」と「外付けハードディスク」を
クレジットカードで購入し経費で処理するとします。
[相手勘定科目]→ 消耗品
[適要]→ ボールペン
[購入金額] → 1000
[相手勘定科目]→ 消耗品
[適要]→ パソコン用外付けハードディスク
[購入金額] → 11000
残高が「0」になっていますね。
クレジットカードで引き落とされた金額と購入金額が一致していることを示しています。
これが、最も基本的なクレジットカードの仕訳方法になります。
B.事業用とプライベート用を混合して購入した場合
さきほどの仕訳は、事業用のものだけを購入した場合でした。
しかし個人事業主の場合は、クレジットカードが公私混同します。
経費にならないプライベートなものを購入する場合もあるでしょう。
例えば、「ボールペン」は事業に必要なものだから経費にするけど、
「外付けハードディスク」はプライベート用だから、経費にしない場合。
経費にしない「外付けハードディスク」は、未払金帳に記載しません。
未払金帳上でクレジットカード引き落としの一行を右クリックし、
[振替伝票に変換]を選択します。
「選択した仕訳を振替伝票に変換してもよろしいですか?」と表示されるので、
「はい」を選択します。
「振替伝票って何だろう?」と思うかもしれません。
しかし、説明が難しいのです。
目的によって使い方は変わるのですが、ここではより仕訳を詳しくする為に使います。
外付けハードディスク代の「11,000円」は「事業主貸」として、
その上の「未払金」を合計額から差し引いた金額「1,000円」に修正します。
[借方勘定科目]→ 未払金
[借方補助科目]→ 〇〇カード
[借方金額] → 1000
[借方勘定科目]→ 事業主貸
[借方金額] → 11000
「事業主貸」とは、事業用のお金をプライベートな支出に使いましたよ。
だから、経費にしませんという宣言です。
これで、クレジットカードで引き落とされる12,000円の内、
1,000円は経費、11,000円は経費にならない処理になっています。
もし、「賃借バランスが合っていないため、登録できません。
借方金額と貸方金額を確認し、賃貸バランスを一致させてください。」と、
エラーが表示された場合は、金額が間違っています。
これで未払金帳上では、「1,000円のボールペンをクレジットカードで購入し、
経費に計上する」という仕訳になりました。
こちらは「預金出納帳」。
預金出納帳は預金通帳と残高が同じにならないといけないので、
ここは12,000円のまま変わりません。
ちなみにこの方法は、昨年まで白色申告(現金主義)おり、
今年から青色申告(発生主義)に切り替えたときの帳尻合わせにも使えます。
例えば、昨年のうちに経費として計上してしまった分が
今年のクレジットカードで引き落とされてしまった場合などですね。
そのままだと二重経費になってしまいますから。
C.プライベートに必要なものだけを購入した場合
クレジットカードで支払ったものが、全てプライベート用で経費にできない場合。
2パターン方法があります。
パターン1
さきほどの「B.事業用とプライベート用を混合して購入した場合」と同じように
すべて「事業主貸」として、未払い残高を0円にする方法。
パターン2
もう一つは預金出納帳で「事業主貸」としてしまう方法。
摘要に「クレジットカード(〇月分)プライベート用)」と書いておけばいいでしょう。
こっちの方が簡単ですね。